Works
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2023.08.02
当初は水回りなどの設備の交換のみをご希望されていましたが、お施主様の所有しているバイクが置いてあるのを見てお話しているうちに
「バイクに乗るのもいじるのも、定年後の楽しみにしている」
「盗難等バイクの保管に不安がある」等のお話をお伺いして、玄関横にある和室をインナーガレージ風の部屋にする提案をさせて頂きました。
そこからさらに「リビングからも眺めたい」「排気や音も考慮したい」と、趣味の空間へのご希望が拡がりました。
和室については3帖+押入れで狭くて使いにくく、入口は2枚引き込みで全開口出来るが、ランマがあるので解放感がいまいち、
できれば全開口できる洋室になれば、と考えていらっしゃいました。
通常インナーガレージは外の地面と高さが同じで、シャッターをつけて間仕切ることでガレージになりますが、
今回はもともとが和室で、基礎+土台+床となっているので掃き出し窓に高さがあり、本来はバイクを中に入れるようにできていません。
基礎~軒下まで外壁面を撤去して、一からガレージを造る事も出来ますが、構造変更や予算の問題等を勘案しました。
また掃き出しを左右引き込みタイプの折戸に変える案も考えましたが、折戸の耐久性や外壁を切るリスクと費用を検討して、今回は既設の掃き出し窓を利用するプランとなりました。
そこで、バイク出し入れの時のみ、駐車スペースに面した掃き出し窓を外してラダー(折り畳めるハシゴ)を掛ける方法をご提案しました(写真参照)。
バイクは乾燥重量で220kg前後あり、それが室内を動くので床下は根太のピッチを狭くする事で増やし、15+12mmの構造用合板を張る事で補強しました。
床材は土足前提でオイル汚れ等にも対応出来るよう、サンゲツのSフロア(ストロング)を選定しました。
また、床、壁、天井にそれぞれ断熱材を施工し断熱性にも配慮しました。
壁の仕上げにはOSBボードを選定し、アメリカンチックな雰囲気に。
天井は排気汚れ等で将来的に張替え等が容易になるよう、敢えて石膏ボードでクロス仕上げとしています。
色はオフブラック系を採用し、見た目が膨張し易いOSBボードに締まりが出るようにしてみました。
OSB自体も欧米では構造用合板として使われていますので強度は問題ありませんが、
チップ材を圧縮していますので何度かビスを打つと割れが生じてきます。
その為、重量物を壁に掛ける予定の場所には予め壁裏に12mmの構造用合板にて補強。
換気は壁の床下付近に通気孔と天井に換気扇を新設して排気対策をしています。
リビングとインナーガレージの仕切りにはLIXILのインプラスを選定し、ガラス越しに部屋を眺められるようにしつつ、防音と断熱の対策もしました。
リフォームアドバイザー
三木